JGA殿発行の「JGA Golf Journal Vol.81(PDF)」に記載されている年表を転載します。

1998年■USGAがCORの規制を発表;USGAは規則として適用
2002年■R&A/USGAが「原則の共同声明」を発表

要旨:用具規則の目的はゴルフの持つ良い伝統(golf's best tradition)を保護し、ゴルファーの技量よりもテクノロジーに過度に頼ることを抑制し、ゴルファーの技量がゲームにおける成功の主要な要素であることを確保することである。

R&AはCORを規制する「競技の条件」を採用することに決定し、2008年からはスプリング効果(SLE)を規制する新規則を制定することを発表
2004年■R&A/USGAでペンデュラムテスト(振り子式簡易測定器)の導入

テスト上限値がキャノンテストによる反発係数(COR)0.830からペンデュラムテストよる特性時間(CT)257μsへ変更
2005年■R&Aの全てのチャンピオンシップで「ドライビングクラブの競技の条件」を採用

■適合ドライバーヘッドリストの発行
2006年■JGAの全ての主催競技で「ドライビングクラブの競技の条件」を採用

■すべてのロフトのすべてのクラブ(パターを除く)のスプリング効果の測定
2008年■スプリング効果新規則の施行(R&A)

■テスト基準値を超えるクラブはゴルフ規則に不適合のクラブとなる

スプリング効果規制の経緯適合ドライバーヘッドリストはJGAホームページ(www.jga.or.jp)をご参照ください。

上記がSLEルールの基本的な流れです。実はこの後、R&A/USGAから各国の製造業者(クラブメーカー)宛に適合テストをより厳格化する旨の通達が送られ、現在はより厳しいSLE適合テストが実施されています。ただしこの件は、クラブを使用するユーザーサイドには実質的にほぼ関係ないことですのでここでは詳しくは述べません。(規則の条文や適合の基準値<CT 257μs>等が変わったわけではありません。テストのやり方が厳しくなりました。)




※補足として個人的に調査した内容を以下にご紹介します。ご参考まで・・


[1998]
もともとUSGAが1998年にキャノンテストを用いて、COR0.830を超えるものは不適合としていたようです。これに違反するクラブはUSGAが管理する不適合リストに掲載されました。後に日本で開発された所謂高反発の類はほぼもれなくこのリストに掲載されています。もちろんそれらは違反クラブです。エリートゴルファーなどの記載は見当たらないので、これはプロ、アマ問わず所謂すべてのゴルファーを対象にしたルールであったと思われます。


[2003]
R&Aも2003/1/1から暫定的にCOR0.830を超えるものを一部競技で違反とするルールを適用することを発表しました。2003年のThe Open(全英オープン)に早速適用され、日本国内では2003日本オープンで初めて適用されました。このときはメジャーなプロの試合やオープン競技のみを対象にしていました。

■R&A
http://www.randa.org/index.cfm?cfid=8812912&cftoken=60335173&action=news.newsDetail&newsid=275&id=(現在リンク切れ)


[2004]

2004年にCORのテストがR&A,USGA両者の話し合いにより、キャノンテストは正確さやテスト簡易性に問題があるとしてペンデュラム方式に切り変わりました。

■USGA
http://www.usga.org/news/2003/february/2003_28.html(現在リンク切れ)
http://www.usga.org/news/2003/november/spring.html(現在リンク切れ)


[2006]

2005/10/4 R&A,USGA両者からすべてのゴルファーを対象にした2008年世界統一ルールに向けて、ソフトランディングするための暫定措置に関する発表がなされました。ここではじめて両者が管理する適合リストが登場します。この暫定ルールのポイントは2006/1/1~2007/12/31までの間、ルール適用対象をプロやトップアマのみとしている部分です。

■R&A
http://www.randa.org/index.cfm?cfid=8812912&cftoken=60335173&action=news.newsDetail&newsid=624&id=(現在リンク切れ)

this Condition was only used in professional events, but in recent years it has been used in top amateur events. From January 1, 2006 until December 31, 2007, the Condition will be revised to allow a committee to require driving clubs to have a head which is detailed on the List of Conforming Driver Heads. For most competitions and all recreational play, the use of this Condition is not recommended. 

■JGA
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/image/051005.pdf

■USGA
http://www.usga.org/news/2005/October/USGA-Announces-Publication-Of-A-Conforming-Driver-List/
7.Any driver heads made after 1998 that has not been submitted to the USGA for evaluation must be submitted and determined to be conforming in order to be included on the list.


[2008]
2008/1/1からSLEルールが世界統一ルールとして全てのゴルファーを対象に適用されました。エリート、競技ゴルファー対象という条件がなくなり、2008/1/1からすべてのゴルファーが対象になります。"for all golfers of all ability" と明確に記載されています。

■R&A
http://www.randa.org/index.cfm?action=rules.equipment.drivingClubPolicy&cfid=1541649&cftok(現在リンク切れ)

From 1 January 2008, a Rule of Golf will be introduced limiting the 'spring-like' effect of driving clubs for all golfers of all ability. The introduction of this Rule was announced in August 2002 and it has been applied at the elite level, via a Condition of Competition, since 1 January 2003.