2008/1/1以降、プライベートでゴルフを楽しむ一般ゴルファーであっても、ゴルフプレーの際に高反発クラブを使用した場合ゴルフ規則違反となります。
これがSLE(高反発)ルールの大原則であり、これを具体的に示すJGA(日本ゴルフ協会)の正式見解・よくある質問とその回答集を以下に引用します。
答. 適用されます。この新しい規則は、その能力やプレー形式に関わらず、すべてのゴルファーに適用されます。これはクラブ競技でプレーするクラブレベルゴルファーも含みます。
JGAサイト内にある、「SLE規則よくある質問」
答. いいえ。ゴルフ規則は世界共通の規則であり、ゴルフをプレーするための規則です。競技であるかプライベートであるかは関係ありません。スプリング効果の基準値を超える高反発クラブは2008年1月1日以降ゴルフ規則に不適合となるのでゴルフゲームをするのであれば使用することはできません。また、高反発クラブの使用を認める競技の条件やローカルルールの制定も認められません。
JGAサイト内にある、「用具規則一般」
A1. 高反発クラブの禁止は世界統一のゴルフ規則で規定されます。したがって、世界中でプロ、アマ問わず全てのゴルファーにこの規則は適用されます。
JGAが各加盟倶楽部に配布したFAQ (PDF)
このようにJGAは非常に明快な回答しています。
ただ、一方で以下のような回答もしています。
答. 違います。あなたの使用する用具がゴルフ規則に適合していることを確認するのはあなた自身の責任です。
JGAサイト内にある、「SLE規則よくある質問」
A6. ゴルフ規則に基づいて行われる競技では当然競技失格となります。悪質な場合は懲戒処分を検討すべきです。しかし、競技とは関係なしにレクリエーションでプレーすることについて、ゴルフ規則は関知しておりません。ただし、スコアは正当なスコアとして採用されません。
JGAが加盟倶楽部に配布したFAQ (PDF)
上記、JGAが各加盟倶楽部に配布したFAQ Q1で、高反発クラブの禁止は世界統一のゴルフ規則で規定されます。したがって、世界中でプロ、アマ問わず全てのゴルファーにこの規則は適用されます。 と示しながら、一方 Q6において、競技とは関係なしにレクリエーションでプレーすることについて、ゴルフ規則は関知しておりません。 と一見矛盾しているとも受け取られかねない表現があります(全く矛盾していないのですが・・)。これがSLE(高反発)ルールの理解を困難にしている、あるいは誤解される1つの要因になっていると感じます。
この両者をすんなりと受け入れるためには、ゴルフゲームの本質とゴルフ規則(Rules Of Golf)のあり方の理解が欠かせません。一言でそれを表すならば、「ゴルフゲームではプレーヤー自身が審判である」ということです。1753年にR&Aが創立されて以来250有余年の歳月を重ね、ゴルフは自立のゲームとの哲学と言うべき理念が確立され今日まで受け継がれています。これは新SLEルールに限らずゴルフ規則全般に対して適用される大原則です。
あえて申し上げればこれらの状況をすべて理解したうえで、自分は常にスコアをつけずにレクレーションとしてゴルフを楽しんでいるので高反発クラブを使用する・・・という選択肢が存在する余地はあります。ただ、いかに本人が割り切ったとしてもルール上違反である事実は変わりませんし、意識に上らないとしても何がしかの後ろめたさを感じながらプレーすることになると思います。仮にそのクラブでドラコン賞を獲得したり、コンペで優勝したとしても心から喜べないのではないでしょうか・・
おそらくゴルファーの大半は競技等には参加せず、年に数回気心の知れた仲間内でゴルフプレーを楽しむ程度だと思います。緑豊かな広大なフェアウェイでドライバーショットをする爽快感はゴルフの醍醐味の一つです。楽しむためのゴルフがゴルフ規則に心をわずらわせては本末転倒です。一切の気兼ねや後ろめたさを感じることなく心からゴルフを楽しむためにも、ゴルフ規則に適合したクラブを使用しプレーすることが最善の方法であると思います。最後にJGAの常務理事であり、規則委員会用具審査部会部会長である大橋一元氏のお言葉を紹介します。
JGA Golf Jounal Vol.81 内記事(PDF)